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    一宮市で不動産相続した実家、そのまま放置でかかる恐ろしいコスト
    一宮市で不動産相続した実家、そのまま放置でかかる恐ろしいコスト

    2026.09.09

    相続した実家は、できるだけ早い段階で「持ち続けるのか、手放すのか」の方向性だけでも決めておく価値があります。理由は単純で、空き家は所有しているだけで税金・光熱費・保険料が毎年出ていき、加えて法律上のリスクまで背負い込むことになるからです。いちのみや不動産相続相談室を運営するじぶん不動産株式会社にも、一宮市内で「親の家を相続したものの、何から手をつければいいのか分からないまま数年が過ぎた」というご相談をいただくことがあります。維持費を確認して、その負担の大きさに気付かれるケースもあります。 この記事では、誰も住まない実家を放置したときに発生する具体的なコストの内訳、一宮市ならではのリスク、そして今後の扱い方の選択肢を整理しました。売却を決めていない段階の方こそ、判断材料として読み進めてください。 .ovn_page section.ovn_list_ac ul { margin-bottom: 30px; } .ovn_page section.ovn_list_ac li { display: block; padding-left: 20px; margin-bottom: 4px; position: relative; overflow: hidden; } .ovn_page section.ovn_list_ac ul li::before { background: var(--scolor); width: 8px; height: 8px; position: absolute; top: 14px; left: 0; content: ''; border-radius: 50%; } .ovn_page section.ovn_list_ac { padding: 30px !important; border: 4px solid var(--scolor); border-radius: 20px; margin: 10px 10px 80px; } .ovn_page .ovn_list_ac ol { counter-reset: item; } .ovn_page .ovn_list_ac ol>li { counter-increment: item; list-style: none; position: relative; 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住宅が建っている土地には「住宅用地の特例」が適用され、200平方メートル以下の部分は固定資産税の課税標準が6分の1、都市計画税は3分の1に軽減されます。この軽減があるからこそ、多くの方が「とりあえず建物を残しておこう」と考えるわけです。なお、実際の税額は評価額から課税標準額を求めて算出するため、詳細は毎年届く納税通知書で確認してください。 ただし、建物が古くなれば建物分の税額は下がっても、土地の評価額はそれほど変わりません。誰も住まない家に対して、住んでいた頃とほぼ同じ税金を払い続ける構図が生まれます。 建物の維持管理にかかる水道光熱費や修繕費 次に見落とされがちなのが、建物を保つための実費です。電気と水道を完全に止めてしまうと、換気も掃除もできず、通水しないことで排水管の封水が切れて悪臭や害虫の侵入を招きます。そのため、基本料金だけでも契約を残す方が結果的に安全というのが実務上の判断です。 さらに、人が住まない家は想像以上のスピードで傷みます。換気されない室内には湿気がこもってカビや木部の腐朽が進み、庭木や雑草も年に数回は手を入れる必要があります。 電気・水道の基本料金:年間およそ2万〜3万円 草刈りや庭木の剪定(年2〜3回の外注):年間3万〜10万円 雨漏り、外壁、給排水設備などの突発的な修繕:数万円〜100万円超 修繕費は発生時期が読めない点が厄介です。台風や豪雨の後に瓦が飛んでいた、という連絡が近隣から入るケースもあります。 万が一に備え続けるための火災保険料や地震保険料 空き家であっても火災保険を外すという選択は現実的ではありません。放火や漏電による火災、台風での建物損壊は起こり得ますし、隣家に被害を及ぼせば賠償問題に発展します。 注意すべきは、空き家になると従来の住宅向け火災保険をそのまま継続できない場合があるという点です。引受の可否や保険料、補償内容は建物の利用状況や保険会社によって異なるため、空き家になったことを保険会社・代理店へ伝えて契約内容を確認する必要があります。また、地震保険は居住のために使用する建物が対象とされており、使用状況によっては対象外となる場合があります。 年間の維持費はいくらになるのか 以下は維持費をイメージするためのモデルケースです。実際の固定資産税・都市計画税は納税通知書、保険料や管理費は各契約・見積もりで確認してください。 ※表は左右にスクロールして確認することができます。 費目 年間の目安 補足 固定資産税・都市計画税 物件により異なる 評価額・所在地・特例の適用状況で変動 電気・水道の基本料金 2万〜3万円 換気・通水のため契約を維持 庭木の剪定・草刈り 3万〜10万円 外注する場合の相場 火災保険等 契約条件により異なる 空き家は引受条件が変わる場合あり 通いの交通費・雑費 1万〜5万円 遠方在住だとさらに増加 合計 年間数万円〜数十万円 突発的な修繕費は別途 ✓ポイント:ここで意識したいのは、5年、10年という時間軸で捉え直すことです。仮に年間30万円の維持費がかかるとすれば、10年で300万円。これは相続時点で売却していれば手元に残っていたはずの現金であり、さらに建物の劣化によって将来の売却価格そのものも下がっていきます。判断を先延ばしにするコストは、支出と資産価値の目減りの両面から効いてくると考えてください。 出典:固定資産税・都市計画税の税額|一宮市 2. 一宮市で空き家を放置する法的なリスク 金銭的な負担以上に重いのが、法律上のリスクです。空き家の管理不足は、行政からの指導・勧告、税負担の急増、さらには近隣への損害賠償にまで直結します。2023年12月13日に施行された改正空家法により、行政が動ける範囲は以前よりも明確に広がりました。「危険な状態になってから対処する」では間に合わない制度設計に変わっている、という認識が必要です。 「特定空家」に指定されると固定資産税が大幅に跳ね上がる 倒壊のおそれがある、衛生上著しく有害、著しく景観を損なっているといった状態の空き家は、市町村から「特定空家等」に指定される対象となります。指定後は助言・指導、勧告、命令、行政代執行という段階を踏んで措置が進みます。 このうち勧告を受けた時点で、先ほど触れた住宅用地の特例が適用されなくなります。小規模住宅用地では固定資産税の課税標準が通常6分の1に軽減されているため、特例が外れると課税標準が大きく上がり、税負担が重くなる可能性があります。ただし、税額には負担調整措置なども関係するため、一律に6倍になるわけではありません。 さらに改正空家法では、特定空家になるおそれのある段階の空き家を「管理不全空家等」として指導・勧告できる仕組みが新設されました。窓の破損や雑草の繁茂といった管理状態の悪化は、管理不全空家等と判断する際の要素になり得ます。市町村から指導を受けても状態が改善されず、勧告に至った場合には、住宅用地特例の対象外となります。倒壊寸前の状態まで待たずに手が入る、という点が改正の要です。 老朽化による倒壊やご近所トラブルによる損害賠償 民法717条では、建物など土地の工作物の設置・保存の瑕疵によって他人に損害が生じた場合、占有者や所有者が損害賠償責任を負う場合があると定められています。空き家の所有者も、適切な管理を怠った結果として第三者に損害を与えれば、賠償責任を問われる可能性があります。 台風で飛んだ瓦や外壁材が隣家の車や窓を破損させた 老朽化したブロック塀が倒れ、通行人がけがをした 敷地の樹木が越境し、近隣の建物や電線を傷つけた 不法投棄やごみの堆積で、悪臭・害虫が発生した 一宮市には住宅が密集し、隣家との距離が近いエリアもあります。人身事故につながれば、高額な損害賠償に発展する可能性も否定できません。空き家の保険に個人賠償責任の特約が付いているかどうかも含め、契約内容の確認は早めに済ませておきたいところです。 一宮市の空き家に関する制度と自治体の対応状況 一宮市は平成29年3月に「一宮市空家等対策計画」を策定し、その後、計画期間を含めた改定を行っています。あわせて「一宮市特定空家等判断基準」を公表しており、どのような状態が特定空家に該当するのかを市として明文化している点は押さえておくべきでしょう。 また、市は関係団体と「一宮市における空き家等対策に関する協定」を締結し、空き家の発生予防から利活用までを官民連携で進めています。空き家バンクの運営、老朽空き家の解体工事費への補助、空き家に関する相談窓口の案内なども実施中です。 つまり、一宮市は空き家の存在を把握し、支援と指導の両輪で動いている自治体だということ。近隣からの通報をきっかけに市が現地確認に入り、所有者へ連絡が来るという流れは、決して他人事ではありません。 ✓ポイント:行政から指導や勧告の連絡が届いてから動き出すと、選択肢はどうしても狭まります。解体を急かされる、税負担が増えた状態で売却を検討することになる、といった具合に、条件の悪い選択を迫られやすくなるためです。まだ何も言われていない今の段階が、最も自由に方針を決められるタイミングだと捉えてください。 出典:「空家法」と「2023改正空家法」|国土交通省 出典:空き家等対策に関すること|一宮市 3. まだ決められなくても知っておきたい3つの選択肢 実家の扱い方は、大きく「維持する」「貸す」「売る」の3つに集約されます。すぐに結論を出す必要はないものの、それぞれのコストと手間を知らないままでは比較のしようがありません。選択肢を知ったうえで「今は維持する」と決めるのと、決められないまま放置するのとでは、数年後の結果が変わります。 定期的に通って管理しながら維持し続ける 思い出のある家をすぐに手放したくない、兄弟姉妹との話し合いが済んでいない。そうした事情があるなら、適切に管理しながら保有するのも現実的な選択です。 管理の基本は、月1回程度の換気、通水、郵便物の回収、庭の手入れ、外観の点検。遠方にお住まいで通うのが難しければ、月額5,000円〜1万円程度の空き家管理サービスを使う手もあります。 ただし、維持を選ぶなら期限を切っておくことをおすすめします。「2年後の法要までに家族で結論を出す」といった区切りがないまま、そのまま年月が過ぎてしまうケースもあります。 リフォームして賃貸物件として貸し出す 家賃収入を得ながら建物を保つ方法です。人が住むことで劣化の進行が緩やかになり、住宅用地の特例も維持されます。 一方で、初期費用の負担は小さくありません。築40年を超える戸建てを貸すには、水回りの交換や内装の刷新で数百万円規模の工事が必要になることも。空室期間のリスク、設備故障への対応、退去後の原状回復といった大家としての実務も発生します。一宮市は名古屋方面への通勤圏として一定の賃貸需要がありますが、エリアや駅距離で差が出るため、投資回収の見込みは事前に見極めておきたいところです。 維持費と手間を手放すために売却を検討する 維持費も管理の手間も一度に解消できるのが売却です。まとまった現金が入るため、相続人が複数いる場合の分割もしやすくなります。 税制面での後押しもあります。相続した空き家を一定の要件のもとで売却した場合、譲渡所得から最高3,000万円(対象の家屋・敷地を相続または遺贈により取得した相続人が3人以上の場合は2,000万円)を控除できる特例があり、適用対象は令和9年12月31日までの譲渡とされています。 ただし、この特例には昭和56年5月31日以前の建築であること、区分所有建物でないこと、相続開始から3年を経過する日の属する年の12月31日までの譲渡であること、売却代金1億円以下であること、相続時から譲渡までに事業・貸付け・居住の用に使っていないことなど、複数の要件があります。一度賃貸に出すと適用できなくなる可能性があるため、売却と賃貸を比較する段階で税理士等に確認しておくことが重要です。 一宮市には老朽空き家の解体工事費を補助する制度もあります。現に使用されていない、延べ床面積の2分の1以上が居住用だった、不良住宅と同等と判定されたなどの要件を満たす空き家について、解体工事費の5分の4(上限20万円、予定5戸・先着順)が補助される仕組みです。ただし2026年度分は、2026年8月6日時点で予算上限に達する見込みと案内されています。年度ごとに受付状況や予算が変わるため、利用を検討する場合は一宮市の公式サイトで最新情報を確認するか、住宅政策課へ相談してください。 3つの選択肢を比較する ※表は左右にスクロールして確認することができます。 項目 維持する 貸す 売る 初期費用 ほぼ不要 数十万〜数百万円 仲介手数料など 毎年の支出 税金・管理費が継続 固定資産税・修繕費 売却後は不要 収入 なし 家賃収入 売却代金 手間 月1回程度の管理 入居者・設備対応 引き渡しまで 向いている方 結論を保留したい 資産として活かしたい 負担を清算したい ✓ポイント:どれが正解かは、物件の状態と相続人の事情によって変わります。判断の分かれ目になるのは、建物にあと何年の耐用が見込めるか、そして相続人が管理に関与し続けられるかの2点。遠方在住で通うのが難しく、建物の傷みも進んでいるという条件が重なるなら、早い段階で売却を軸に検討したほうが、金銭的にも精神的にも負担は軽くなります。 出典:No.3306 被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例|国税庁 出典:老朽空き家の解体工事に関する補助金制度について|一宮市 4. 迷っているなら現状の価値を把握することから始めよう 方針が決まらない最大の理由は、判断に必要な情報が手元にないことです。実家がどのくらいの価格で売れそうなのか、貸せる建物なのか、解体するとどうなるのか。ここが分からないままでは、家族で話し合っても結論は出ません。査定を受けることは売却の決断ではなく、比較のための材料集めだと考えてください。 まずは不動産査定で売却価格の目安を把握する 査定価格は、現在の市場でどの程度の売却価格が見込めるかを検討するための目安です。実際の成約価格を保証するものではなく、相続税や固定資産税などの税務上の評価額とも異なります。この前提を押さえたうえで結果を見ると、金額だけでなく物件の現状も具体的に見えてきます。土地の形状や接道状況、建物の劣化度合い、周辺の成約事例。こうした情報は、維持・賃貸・売却のどれを選ぶにしても判断の土台になります。 査定には机上査定と訪問査定があり、おおよその金額を知りたい段階なら机上査定で十分です。売却を約束するものではないため、情報収集の一環として依頼できます。 相続人が複数いる場合は、査定根拠を示した資料を家族で話し合う際の共通材料にできます。「思ったより高い」「想像より安い」という各自の感覚を、同じ数字と根拠にそろえられるためです。 一宮市の不動産事情に強い専門家に相談してみる 相続がからむ不動産は、通常の売買とは進め方が異なります。相続した不動産を売却するには、相続登記など権利関係を整理しておく必要があります。賃貸を検討する場合も、共有者がいるときは契約内容や必要な同意について事前に確認しておくことが欠かせません。 なお、相続登記は2024年4月1日から義務化されました。相続によって不動産を取得したことを知った日から、原則3年以内の申請が必要です。2024年4月1日より前の相続で、それ以前から相続したことを知っていた未登記の不動産については、原則として2027年3月31日が期限となります。正当な理由なく義務に違反した場合は10万円以下の過料の対象となる可能性があるため、名義の確認は優先度の高い作業です。 相談先は、一宮市の地域事情を把握しているかどうかを基準に選んでください。市街化区域と市街化調整区域の線引き、エリアごとの需要差、道路付けによる評価の違いは、地元で実績を積んだ会社でなければ精度の高い判断ができません。司法書士や税理士と連携できる体制があるかも確認しておくと安心です。 ✓ポイント:相談のタイミングは「売ると決めてから」ではなく「迷っている今」が適しています。方針が固まる前に現状を把握しておけば、家族の状況が変わったときにも素早く動けるためです。当社では売却を前提としないご相談も承っています。査定結果をお伝えしたうえで、時間をおいて改めてご連絡をいただくケースもあります。 出典:相続登記の申請義務化に関するQ&A|法務省 出典:一宮市空家等対策計画|一宮市 5. まとめ 相続した実家を「とりあえずそのまま」にしておくと、税金や管理費が毎年積み上がり、建物の劣化とともに資産価値も下がっていきます。加えて、改正空家法のもとでは管理不全空家等として勧告を受けた場合に住宅用地の特例が外れ、固定資産税等の負担が大きく増える可能性もあります。近隣への損害賠償リスクも含めれば、放置という選択が最もコストの高い判断になりかねません。 とはいえ、今すぐ売却を決める必要はありません。維持する、貸す、売るという3つの選択肢を並べ、それぞれの費用と手間を把握したうえで、家族が納得できる結論を出せば十分です。そのための第一歩が、実家の現在価値を知ることになります。 いちのみや不動産相続相談室を運営するじぶん不動産株式会社は、一宮市エリアに密着し、相続や不動産に関するお悩みに数多く向き合ってきました。査定のご依頼はもちろん、「まだ何も決めていない」という段階のご相談も歓迎しています。実家の扱いに迷いを抱えている方は、判断材料をそろえるところから、お気軽にお声がけください。
    遠方からでも一宮市の不動産相続をスムーズに!実家売却の完全指南|一宮市の相続・不動産相続
    遠方からでも一宮市の不動産相続をスムーズに!実家売却の完全指南|一宮市の相続・不動産相続

    2026.08.17

    遠方に住みながら一宮市の実家を相続した方でも、売却の負担は工夫次第で大きく減らせます。査定から契約、決済までの各工程で、オンライン面談や郵送、代理人の活用といった選択肢が広がっているためです。物件の状況や本人確認の方法によっては、現地訪問の回数を抑えたまま引き渡しまで進められる場合もあります。まずは遠方対応に慣れた会社を味方につけるところから始めるのが近道です。 いちのみや不動産相続相談室を運営するじぶん不動産株式会社は、一宮市エリアに密着し、相続や売却のご相談を数多く承ってきました。本記事では、放置リスク、売却の4ステップ、税金と費用、そして「頼れる専門家の選び方」まで、遠方在住の方が知っておきたい実務を整理します。 .ovn_page section.ovn_list_ac ul { margin-bottom: 30px; } .ovn_page section.ovn_list_ac li { display: block; padding-left: 20px; margin-bottom: 4px; position: relative; overflow: hidden; } .ovn_page section.ovn_list_ac ul li::before { background: var(--scolor); width: 8px; height: 8px; position: absolute; top: 14px; left: 0; content: ''; border-radius: 50%; } .ovn_page section.ovn_list_ac { padding: 30px !important; border: 4px solid var(--scolor); border-radius: 20px; margin: 10px 10px 80px; } .ovn_page .ovn_list_ac ol { counter-reset: item; } .ovn_page .ovn_list_ac ol>li { counter-increment: item; list-style: none; position: relative; padding-left: 30px; font-weight: 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一方、測量、境界確認、残置物の処分、庭木の剪定といった作業は、媒介業務に当然含まれるわけではありません。不動産会社を通じて専門業者を手配できることはありますが、別途の契約や費用、所有者本人の確認が必要になるのが一般的です。境界確定については、土地家屋調査士の関与や隣接地所有者の協力を要する場合もあります。 一宮市の相場やエリア特性を熟知した適正な査定 査定の精度は、地域を知っているかどうかで大きく変わります。一宮市は名鉄名古屋本線とJR東海道本線が並走し、名古屋駅へのアクセスの良さから住宅需要が根強いエリア。ただし木曽川沿いの区域と尾張一宮駅周辺では、買主層も価格帯も別物です。駅からの距離、間口や接道の条件、旧市街地特有の狭あい道路の有無でも評価は動きます。地元で取引実績を積んだ会社なら、こうした差を根拠のある数字に落とし込めます。相場より高すぎる査定額は売れ残りを招き、安すぎる査定額は手取りの減少に直結するため、根拠を説明できる会社かどうかが判断材料になります。 オンライン面談や郵送でのやり取りによる負担軽減 手続き面の負担も軽くなりました。2022年5月の宅地建物取引業法の政省令改正で重要事項説明書などの電子化が可能となり、相談から契約準備までをオンラインと郵送で進めやすくなっています。 ※表は左右にスクロールして確認することができます。 手続き 遠方からの対応方法 初回相談・ヒアリング ZoomなどのWeb面談、電話 査定結果の説明 査定書のPDF送付+オンライン説明 重要事項説明 IT重説(相手方の承諾など一定の要件あり) 媒介契約の締結 郵送での持ち回り契約、電子契約 販売状況の報告 メール・電話での報告 決済・引き渡し 司法書士立ち会いのもと、代理人による対応も可能 なお書面の電子化には、相手方から事前に承諾を得るなどの要件があります。また司法書士による本人確認・意思確認や、買主・金融機関の決済条件によっては、対面での手続きが求められる場合もあります。 ✓ポイント:現地作業の一部を任せられる会社を選べば、何度も一宮市へ足を運ぶ事態は避けられます。会社選びの段階で「どこまでを代行してもらえるのか」「別途費用が発生する作業はどれか」を具体的に確認しておくと、その後の進行がぐっと楽になります。 出典:ITを活用した重要事項説明及び書面の電子化について|国土交通省 2. 空き家となった相続不動産を放置する重大なリスク 相続した実家をそのままにしておくと、時間の経過とともに損失が積み上がっていく構造にあります。建物は使われないほど傷みが早く、行政から勧告を受ければ税の優遇も外れ、近隣との関係にもひびが入るためです。 建物の老朽化による資産価値の大幅な下落 無人の家は、人が住んでいる家より劣化が早く進みます。換気が止まることで湿気がこもり、木部の腐朽やカビの発生を招くためです。 通水しない排水トラップが乾き、下水臭や害虫の侵入経路になる 雨樋の詰まりや屋根の小さな破損が放置され、雨漏りへ発展する シロアリの食害が発見されないまま構造部分まで及ぶ 相続時は「リフォームすれば住める」状態だった家が、数年後には解体前提でしか売れない土地になる例も少なくありません。解体費用は建物の規模や構造で幅があり、売却の手取りを直接削ります。 管理不全空家等・特定空家等への勧告による税負担増加の可能性 税負担の増加も見過ごせません。住宅が建つ土地は固定資産税の課税標準が軽減されていますが、この優遇は無条件ではないためです。 2023年12月13日に施行された改正空家法では、従来の「特定空家等」に加えて「管理不全空家等」という区分が新設されました。管理不全空家等または特定空家等として必要な措置を勧告されると、住宅用地特例の対象外となり、翌年度以降の固定資産税などが増える可能性があります。特定空家になる手前の段階でも対象になる点が、改正前との大きな違いです。 ※表は左右にスクロールして確認することができます。 区分 状態 必要な措置を勧告された場合 通常の住宅用地 適切に管理されている 小規模住宅用地は課税標準1/6 管理不全空家等 放置すれば特定空家等になるおそれ 住宅用地特例の対象外となる 特定空家等 倒壊の危険、著しい衛生上の有害性など 住宅用地特例の対象外、命令違反で50万円以下の過料 増額の幅は、土地の評価額や負担調整措置、都市計画税の有無などで異なります。単純に6倍になるわけではないものの、誰も住まない家のために負担が増える状況は避けたいところ。 防犯・防災上の懸念と近隣住民とのトラブル 金銭以外のリスクも現実的です。管理されていない空き家は外から見てすぐにそれとわかるため、トラブルの標的になりやすい傾向にあります。 不法侵入や放火の対象になる 敷地内へのごみの不法投棄 越境した枝や雑草、飛散した瓦への苦情 台風や地震で外壁材が飛び、第三者に被害を与える 隣家に損害を与えた場合、所有者として賠償責任を問われる可能性も。遠方にいると発生に気づくのが遅れ、対応が後手に回りやすくなります。 ✓ポイント:放置期間が延びるほど、資産価値の下落・勧告による税負担増・トラブルリスクの三つが同時に進みます。「いずれ考える」と先送りするより、売却するか、活用するか、方針だけでも早い段階で決めておくほうが、結果として手元に残る金額は大きくなります。 出典:「空家法」と「2023改正空家法」|国土交通省 3. 現地訪問を抑えて進める、遠方からの不動産売却ステップ 遠方からの売却は、4つのステップに整理できます。順番と各段階でやるべきことを把握しておけば、想定外の手戻りを防げるためです。全体の期間はおおむね3〜6か月が目安になります。 ステップ1:まずは相続登記(名義変更)を完了させる 売却の出発点は相続登記です。亡くなった方の名義のままでは、買主への所有権移転登記を行えません。そのため、遅くとも決済・引き渡しまでに相続登記を完了させる必要があります。査定や売却準備そのものは、相続登記と並行して進められます。 2024年4月1日以降、相続登記は法律上の義務となりました。不動産を相続で取得したことを知った日から3年以内の申請が必要で、正当な理由なく怠ると10万円以下の過料の対象になります。施行日より前に発生した相続も義務化の対象で、原則的な猶予期限は2027年3月31日。ただし、不動産を相続で取得したことを知った日が2024年4月1日以降であれば、その日から3年以内が申請期限となります。 戸籍謄本の収集や遺産分割協議書の作成は、遠方在住の方には負担の大きい作業です。司法書士に依頼すれば郵送とオンラインで大半が完結するため、不動産会社に提携先を紹介してもらう流れが現実的といえます。 ステップ2:信頼できる不動産会社への査定依頼と相談 登記の見通しが立ったら査定に進みます。査定を依頼する際は、次の情報が揃っていると精度が上がります。 所在地、土地・建物の面積、築年数 登記識別情報(権利証)や固定資産税の納税通知書 建築時の図面、増改築やリフォームの履歴 境界確定測量図の有無 複数社に依頼する場合も、金額の高さだけで選ぶのは避けたいところ。査定額の根拠、想定される買主層、販売戦略までセットで説明できるかを見比べます。 ステップ3:媒介契約の締結と販売活動の開始 会社を決めたら媒介契約を結びます。契約形態は3種類あり、それぞれ性格が異なります。 ※表は左右にスクロールして確認することができます。 契約形態 複数社への依頼 販売状況の報告義務 レインズ登録 専属専任媒介 不可 1週間に1回以上 5営業日以内 専任媒介 不可 2週間に1回以上 7営業日以内 一般媒介 可能 法律上の義務なし 法律上の義務なし 専任媒介・専属専任媒介には法律上の定期報告義務があるため、遠方から進捗を確認しやすい利点があります。一方、複数社に依頼できる一般媒介にも、買主との接点を広げやすいという強みがあります。一般媒介でも任意に定期報告を行う会社はあるため、契約形態そのものより「どのような頻度と方法で報告を受けられるか」を事前に取り決めておくほうが実務的です。当社は売主の選択肢を狭めない一般媒介を基本としつつ、遠方のお客様には報告方法を個別にご相談のうえ決めています。 ステップ4:買主との売買契約から決済・引き渡し 買主が決まると、条件交渉を経て売買契約へ進みます。売買契約は郵送による持ち回りが可能で、決済も委任状と印鑑証明書を用意すれば代理人が対応できる場合があります。 引き渡し前の関門となるのが残置物の処分です。家具や仏壇、写真や書類など思い入れのある品の扱いは、事前に方針を決めておきたいところ。片付け業者を手配してもらい、処分前に写真で確認する流れをとれば、遠方からでも判断できます。 ✓ポイント:郵送・電子契約・代理人を活用すれば、現地訪問を大幅に減らせます。ただし、司法書士による本人確認や意思確認、共有者・相続人間の調整、境界確認、建物や設備の状況確認などのために、現地訪問や対面手続きが必要になる場合もあるという前提で計画を立ててください。相続の発生からすでに時間が経っている場合は、まず登記の状況確認を最優先に据えます。 出典:相続登記の申請義務化について|法務省 4. 実家売却時に知っておくべき税金と費用負担 売却では手取り額が焦点になります。売却価格がそのまま入るわけではなく、諸費用と税金が差し引かれるためです。特例の適用可否で手取りが大きく変わることもあり、契約前の確認が欠かせません。 売却にかかる仲介手数料や譲渡所得税の内訳 主な費用は次のとおりです。 ※表は左右にスクロールして確認することができます。 項目 金額の目安 仲介手数料 売買価格×3%+6万円+消費税(400万円超の場合の上限) 印紙税 契約金額と契約書の作成時期により異なる 相続登記の登録免許税 原則として固定資産税評価額の0.4%(免税措置が適用される場合あり) 司法書士報酬 依頼内容により変動 解体・残置物処分費 建物の規模、構造、接道、アスベストの有無、荷物量などにより個別見積もり 譲渡所得税・住民税 譲渡所得×20.315%(長期譲渡所得の場合) なお2024年7月1日の報酬告示改正により、売買価格800万円以下の物件は、媒介契約前の説明と合意を条件に最大33万円(税込)まで仲介手数料を受け取れる取り扱いへ変わりました。 譲渡所得税は「売却価格−取得費−譲渡費用」に対して課税されます。相続の場合、原則として被相続人の取得時期と取得費を引き継ぐ点が特徴です。被相続人の取得時から数え、売却した年の1月1日時点で所有期間が5年を超えていれば長期譲渡所得となり、所得税・復興特別所得税・住民税を合わせた税率は原則20.315%。取得費が不明なときは売却価格の5%を概算取得費として扱いますが、この場合は課税対象が大きく膨らむため、次の特例が重要になります。 税金負担を軽くする「空き家の3,000万円特別控除」 相続した実家の売却で効果が大きいのが、被相続人の居住用財産(空き家)に係る譲渡所得の特別控除の特例です。譲渡所得から最高3,000万円を控除できるため、譲渡所得の金額によっては課税所得がゼロになることもあります。 主な要件は次のとおりです。 昭和56年5月31日以前に建築された家屋であること 区分所有建物(マンション等)でないこと 相続開始の直前に被相続人が一人で住んでいたこと 相続後、売却までに事業・賃貸・居住の用に供していないこと 売却代金が1億円以下であること 親族など一定の特別関係者への売却でないこと 相続開始日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売却すること 耐震基準を満たすようリフォームするか、建物を取り壊して売却すること 適用期限は令和9年(2027年)12月31日まで。令和6年1月1日以後の譲渡では、買主が譲渡の翌年2月15日までに耐震改修または取り壊しを行った場合も対象に加わり、売主側で先に工事を済ませる必要がなくなりました。ただし家屋と敷地を相続した相続人が3人以上の場合、控除額は2,000万円に引き下げられます。 適用を受けるには、市区町村が発行する「被相続人居住用家屋等確認書」を添えて確定申告する必要があります。同じ不動産について、相続税の取得費加算の特例とは重ねて使えない点にもご留意ください。 ✓ポイント:「相続開始日から3年を経過する日の属する年の12月31日まで」という期限が、実務上いちばんの関門になります。売却活動には数か月を要するうえ、確認書の取得にも時間がかかるため、期限の半年前に動き出しても間に合わない場合があります。税額の試算や適用可否の判断は個別事情で変わるため、早い段階で税理士に相談しておくと安全です。 出典:No.3306 被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例|国税庁 5. 一宮市の不動産相続・実家売却はお任せください 一宮市の実家を遠方から売却するなら、地域での実績と専門家との連携体制を併せ持つ会社を選ぶことが、結果を左右します。査定の精度、現地対応の質、税務や登記との連携が一体で機能してはじめて、売主の負担が本当に軽くなるためです。 遠方のお客様をサポートしてきた売却実績 じぶん不動産株式会社は、いちのみや不動産相続相談室として一宮市エリアの相続不動産に向き合ってまいりました。県外にお住まいの相続人の方から、現地確認から引き渡しまでご依頼いただいたケースもございます。写真や動画での現況報告など、離れていても状況が見える進め方をご相談のうえ設計します。 司法書士・税理士との連携によるサポート体制 相続不動産の売却は、登記・税務・不動産取引が絡み合う分野です。当社は不動産売却の窓口として、必要に応じて司法書士や税理士と連携します。登記申請は司法書士、個別の税務判断や申告は税理士が担当し、当社は各専門家への相談を調整する役割です。窓口が一本化されるぶん、遠方在住の方ほど負担の軽さを実感していただけます。 まずは無料査定とご相談で解決の第一歩を 「まだ売ると決めたわけではない」段階でも構いません。相場観をつかみ、使える特例と期限を把握するだけでも判断の質は変わります。無料査定とご相談を承っておりますので、平日の日中に時間が取れない方も、都合のよいタイミングでお問い合わせください。 6. まとめ 遠方に住みながらの実家売却は、正しい手順と適切なパートナーがあれば負担を大きく抑えられます。押さえておきたいのは、次の3点です。 空き家の放置は、資産価値の下落に加え、勧告を受けた場合の固定資産税負担増加につながる可能性がある 相続登記は義務であり、2024年4月1日より前の相続は原則2027年3月31日が期限 空き家の3,000万円特別控除には「相続開始から3年」の期限があり、逆算した行動が必要 一宮市の不動産相続・実家売却について迷いがあるなら、じぶん不動産株式会社(いちのみや不動産相続相談室)へお気軽にお声がけください。ご事情をうかがったうえで、売却・活用の両面から現実的な選択肢をご提案いたします。
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    2026.08.12

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    2026.08.07

    先日お知らせいたしました、 夏季休暇に変更がございましたので、訂正させていただきます。 直前のご連絡になりましたこと、深くお詫び申し上げます。 何卒、ご了承のほどよろしくお願い申し上げます。
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    2026.07.27

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    2026.07.22

    「実家をどうするかは、まだ決めていない。でも自分がいなくなった後、子どもに面倒な思いだけはさせたくない」——そんな思いを抱える方は少なくありません。結論から言えば、実家の相続対策は「まだ決めていない」段階こそ、動き出すのに適したタイミングです。 理由は、方針を決めないまま相続を迎えると、維持費や税金の負担に加え、相続発生後の登記手続きや遺産分割の負担まで、そっくり子ども世代に残ってしまうからです。相続人が不動産を取得したことを知った後、正当な理由なく期限内に相続登記を行わなければ、過料の対象となる可能性もあります。こうした負担の多くは、親が元気なうちの備えで、ある程度やわらげられます。 この記事では、一宮市の不動産相続を取り巻く現状、実家を放置したときのリスク、そして子どもに負担をかけないために今から始められる生前対策のステップを、いちのみや不動産相続相談室を運営するじぶん不動産株式会社の視点で整理します。読み終えるころには、「まず何から手をつければいいのか」が見えているはずです。 .ovn_page section.ovn_list_ac ul { margin-bottom: 30px; } .ovn_page section.ovn_list_ac li { display: block; padding-left: 20px; margin-bottom: 4px; position: relative; overflow: hidden; } .ovn_page section.ovn_list_ac ul li::before { background: var(--scolor); width: 8px; height: 8px; position: absolute; top: 14px; left: 0; content: ''; border-radius: 50%; } .ovn_page section.ovn_list_ac { padding: 30px !important; border: 4px solid var(--scolor); border-radius: 20px; margin: 10px 10px 80px; } .ovn_page .ovn_list_ac ol { counter-reset: item; } .ovn_page .ovn_list_ac ol>li { counter-increment: item; list-style: none; position: relative; padding-left: 30px; font-weight: normal; margin-bottom: 15px; } .ovn_page .ovn_list_ac ol>li::before { content: counter(item); } .ovn_page .ovn_list_ac ul { margin-bottom: 0px; } .ovn_page .ovn_list_ac ul li { padding-left: 20px; font-weight: normal; } .ovn_page .ovn_list_ac ul li::before { background: var(--scolor); width: 8px; height: 8px; position: absolute; top: 14px; left: 0; content: ''; border-radius: 50%; } .under main .ovn_list_ac .list02 li::after { display: none; } .under main .ovn_list_ac .list02 li a { color: var(--txt); } .under main .ovn_list_ac .list02 li a:hover { color: var(--mcolor); } .under main a.link { text-decoration: none !important; } .ovn_page .ovn_list_ac ol li a:hover { text-decoration: none; color: var(--txt); } .under main .list01 li { font-weight: normal; } .u_editor div.tb_scroll { font-size: inherit; } .under main table th { font-size: 20px; } .under main a:hover { color: var(--mcolor); } 目次 実家の相続対策を先延ばしにするリスク 放置された空き家の維持管理費と固定資産税が子どもの負担になる 相続登記の義務化により放置すると罰則の対象になる 複数人で相続することで意見がまとまらず売却が困難になる 一宮市における実家・不動産相続の現状 一宮市でも多数の空き家が確認されている 市全体の地価は上昇傾向でも、物件ごとの売却しやすさには差がある 子どもに迷惑をかけないための3つの生前対策 実家をどうしたいか親子で率直に話し合う 遺言書の作成や家族信託を活用して意思を遺す 実家がいくらで売れるかあらかじめ市場価値を調べておく 売却を迷っている段階だからこそ「今」始めるべき最初の一歩 売却の有無に関わらず一宮市の不動産会社に「簡易査定」を依頼する 少しずつ不要な荷物を片付ける「生前整理」から始める まとめ 1. 実家の相続対策を先延ばしにするリスク 先延ばしの厄介なところは、「何も決めない」という選択が、実は最もコストの高い選択になりやすい点にあります。放置している間も税金は毎年かかり続け、建物は傷み、権利関係も複雑になっていくためです。相続登記を長期間放置すると、次の相続が発生して関係する相続人が増え、手続きがいっそう込み入ってしまう場合もあります。ここでは、先延ばしが生む代表的な3つのリスクを順番に見ていきます。 放置された空き家の維持管理費と固定資産税が子どもの負担になる 誰も住まなくなった実家は、「持っているだけでお金が出ていく資産」に変わります。人が住んでいなくても固定資産税は原則として毎年発生し、市街化区域内の土地・家屋には都市計画税も課されます。さらに火災保険料や通水・換気、庭木の手入れといった管理コストも積み重なっていくからです。 見落とされがちなのが、税負担が「増える」リスクです。管理状態に問題がある空き家が「管理不全空家等」と判断され、市区町村から指導を受けても改善されず、勧告を受けた場合、その敷地は住宅用地特例の対象から外れることがあります。小規模住宅用地では固定資産税の課税標準を評価額の6分の1とする特例が適用されていますが、この特例が外れると税負担は大きく増える可能性があります。ただし負担調整措置などもあるため、実際の税額が単純に必ず6倍になるわけではありません。 放置しがちな費用の実態を、項目ごとに整理しておきましょう。 ※表は左右にスクロールして確認することができます。 項目 具体的な内容 発生のしかた 固定資産税・都市計画税 土地・建物にかかる税金。都市計画税は市街化区域内の土地・家屋が対象 空き家でも課税要件を満たせば毎年かかる 管理コスト 火災保険、通水・換気、庭木の手入れ、遠方からの交通費 放置期間が長いほど累積する 住宅用地特例の解除 勧告を受けた管理不全空家等・特定空家等の敷地では、固定資産税・都市計画税の住宅用地特例が適用されなくなる場合がある 指導→改善なし→勧告の段階を経て 老朽化の進行 雨漏り、シロアリ、外壁の劣化 売却時の価値低下・解体費増につながる ✓ポイント:まだ売ると決めていなくても、実家を保有するだけで年間どれくらいのコストがかかるのかを把握しておくと、その後の判断が軽くなります。「いくらで維持しているのか」を数字にして見える化することが、感情論に流されない相続対策の出発点です。 出典:固定資産税等の住宅用地特例に係る空き家対策上の措置|国土交通省 相続登記の義務化により放置すると罰則の対象になる 「名義変更は、いつかやればいい」——この感覚は、すでに通用しなくなりました。2024年4月1日から相続登記が義務化され、放置には罰則が伴うようになったからです。 相続人は、不動産を取得したことを知った日から3年以内に相続登記を申請する必要があり、正当な理由なく怠ると10万円以下の過料の対象になります。注意したいのは、この義務が施行前の相続にも及ぶ点です。2024年4月1日より前に発生した相続でも、登記が済んでいない不動産は義務化の対象で、施行前から相続を知っていた場合は、原則として2027年3月31日までに申請しなければなりません。「うちは何十年も前の相続だから」と油断はできないわけです。期限の考え方は、次の表で整理できます。 ※表は左右にスクロールして確認することができます。 ケース 相続登記の期限 2024年4月1日以降に相続を知った 取得を知った日から3年以内 施行前から相続を知っていた(未登記) 2027年3月31日まで 遺産分割で取得が決まった 遺産分割の成立から3年以内 なお、遺産分割がまとまらず期限内の相続登記が難しい場合には、「相続人申告登記」を行うことで、申告した相続人について当面の申請義務を履行したものとみなされます。ただしこれは所有権を確定する相続登記ではないため、遺産分割がまとまった後には、改めて正式な登記が必要になります。 ✓ポイント:相続登記は、放置するほど必要な戸籍書類が増え、相続人の数もふくらんで手続きが複雑になります。義務化された今は、先送りするより、早めに司法書士へ相談して権利関係を整理しておくほうが、結果的に子どもの手間もコストも小さく抑えられます。 出典:相続登記の申請義務化に関するQ&A|法務省 複数人で相続することで意見がまとまらず売却が困難になる 実家の相続でもめやすいのが、「複数の子どもで一つの家を相続する」ケースです。不動産は現金のようにきれいに等分できないため、「売って分けたい人」と「思い出があるから残したい人」の意見が対立しやすいからです。 遺産分割前の実家や、複数人の共有名義となった実家を一体として売却するには、原則として共同相続人・共有者全員の合意が必要です。一人でも意見が一致しなければ、通常の任意売却は進めにくくなります。その間も税金や管理費だけが出ていき、話し合いがこじれて疎遠になり、次の相続でさらに関係者が増える、という展開も起こり得ます。もっとも、話し合いがまとまらない場合には、遺産分割調停や共有物分割請求などを検討する道もあり、「一人でも反対すれば永久に何もできない」わけではありません。 ✓ポイント:相続人が複数いる場合は、「誰が引き継ぐのか」「売るのか残すのか」を、親の意思が確認できるうちに方向づけておくことが、何よりの予防策になります。判断の軸を親世代が示しておくだけで、子ども同士が感情的に対立するリスクは大きく下がります。 出典:共有制度の見直し|法務省 2. 一宮市における実家・不動産相続の現状 一宮市で相続を考えるうえで押さえておきたいのは、空き家は、もはや「一部の家庭だけの特別な問題」ではなくなっているという事実です。高齢化と人口減少が進むなか、相続をきっかけに実家が空き家になるケースは全国で増えており、一宮市も例外ではありません。地域の実情を知っておくことは、対策の優先順位を決める助けになります。 一宮市でも多数の空き家が確認されている 数字を見ると、空き家は身近な問題であることが分かります。一宮市が2025年度に行った実態調査では、市内全域で2,251件の空家等候補が確認されました。内訳は、空家等候補が1,025件、管理不全空家等候補が735件、特定空家等候補が491件です。 こうした空き家の多くは、相続を機に生まれます。国土交通省の全国調査では、空き家の取得経緯のうち相続によるものが半数を超えており、実家がいずれ空き家になる可能性は、決して他人事ではありません。一宮市は名古屋圏のベッドタウンとして発展してきた歴史があり、子世代がすでに市外や県外で暮らすご家庭も多く見られます。だからこそ、相続が起きる前から、実家の管理や処分の方針を考えておく重要性は高いといえます。 ✓ポイント:「実家がいずれ空き家になるかもしれない」という予感は、大げさなものではありません。相続は誰の家にも訪れるライフイベントであり、早く向き合った家庭ほど、選べる選択肢を多く残せます。 出典:一宮市空家等実態調査結果報告書 概要版|一宮市 市全体の地価は上昇傾向でも、物件ごとの売却しやすさには差がある 「地価は下がっていく一方」と思い込むのは、実は正確ではありません。2026年の地価公示では、一宮市の住宅地の平均変動率は前年比プラス2.5%、商業地はプラス4.5%と、市全体では上昇傾向にあるからです。 ただし、市全体の平均が上がっていても、すべての不動産の価値が同じように上がるわけではありません。駅からの距離、接道の状況、用途地域、市街化調整区域に該当するかどうか、浸水などの災害リスク、建物の老朽化などによって、売却価格や売れるまでの期間には差が生じます。将来の値動きを一律に予測するのではなく、実家ごとの条件を一つずつ確認することが大切です。 ✓ポイント:不動産の価値は、地域全体の相場と、その物件固有の条件の両方で決まります。「一宮市だから上がる・下がる」と決めつけるより、「この実家は今どういう条件か」を具体的に把握しておくことが、現実的な備えになります。 出典:令和8年地価公示 市区町村別・用途別平均価格、平均変動率|愛知県 3. 子どもに迷惑をかけないための3つの生前対策 生前対策の本質は、「親自身の意思を、実行できる形にして遺しておく」ことに尽きます。どれだけ「子どもには苦労させたくない」と願っていても、その気持ちが言葉や書面として残っていなければ、子どもは何を基準に判断すればいいか分からず、立ち往生してしまうからです。ここでは、今から始められる3つの対策を紹介します。まずは全体像を押さえておきましょう。 ※表は左右にスクロールして確認することができます。 生前対策 主な効果 こんな家庭に向いている 親子での話し合い 意思の共有・トラブルの芽を早期に摘む すべての家庭の第一歩として 遺言書・家族信託 意思を有効な形で遺し、判断能力の低下にも備える 相続人が複数、認知症が心配 市場価値の把握 売却・分割の判断材料になる 売るか残すか迷っている 実家をどうしたいか親子で率直に話し合う 生前対策の土台は、なんといっても親子の会話です。実家をどうしたいかという親の本音が共有されていれば、子どもは迷わず動けますし、兄弟姉妹の間で意見が割れても「親の希望」という共通の軸に立ち返れるからです。 とはいえ、相続やお金の話は切り出しにくいもの。おすすめは、身構えた「家族会議」にしないことです。帰省や食事の席で「この家、将来どうしようか」と軽く投げかけるところから始めれば十分。国土交通省も、親が元気なうちに実家の方針を話し合っておくことを推奨しています。一度で結論を出す必要はなく、少しずつ意思をすり合わせる姿勢が、結果的にいちばん揉めない道につながります。 ✓ポイント:話し合いで大切なのは、結論を急ぐことではなく「親の気持ちを言語化しておく」ことです。売却・同居・賃貸など、どの方向に気持ちが傾いているのかを共有できているだけで、いざというときの子どもの負担は大きく変わります。 遺言書の作成や家族信託を活用して意思を遺す 話し合いで固まった意思は、法的に有効な形で残してこそ効力を発揮します。口約束のままでは、いざ相続が始まったときに「言った・言わない」の争いに発展しかねないからです。代表的な手段が、遺言書と家族信託です。 ※表は左右にスクロールして確認することができます。 手段 主な役割 留意点 遺言書 誰に何を遺すかを明確にする 遺言能力・遺留分などで争いになる可能性は残る 家族信託(民事信託) 判断能力が低下した後の財産管理・売却に備える 信託契約の内容・抵当権・税務の個別確認が必要 遺言書のうち公正証書遺言は、公証人が作成に関与し、原本も公証役場で保管されるため、方式不備や紛失・改ざんのリスクを抑えやすい方法です。ただし、遺言能力や遺留分などをめぐって効力が争われる可能性まで完全になくなるわけではありません。 一方の家族信託は、法律上は「民事信託」の一形態を指す呼び方です。親の判断能力があるうちに、対象財産や受託者の権限を契約で定めておく仕組みで、実家を信託財産に含めて受託者に売却権限を付与しておけば、親の判断能力が低下した後でも、契約の範囲内で管理や売却を進められる場合があります。ただし、抵当権の有無、金融機関の対応、信託契約の内容、税務上の取扱いなどを個別に確認する必要があります。いずれの手段も、司法書士・弁護士に加え、必要に応じて税理士や金融機関にも確認し、制度が家庭の状況に合っているかを判断することが欠かせません。 ✓ポイント:遺言書は「意思を明確に伝える」ため、家族信託は「判断能力の低下に備える」ための対策、と整理すると分かりやすくなります。状況に応じて両者を組み合わせておくことが、子ども世代への備えになります。 出典:遺言|日本公証人連合会 実家がいくらで売れるかあらかじめ市場価値を調べておく 売るか残すか迷っているなら、まず「現在の売却見込み額」を調べることが判断材料になります。金額の目安が分からないままでは、売却も、兄弟間での公平な分割も、具体的に検討しようがないからです。 たとえば、不動産会社の査定で「売却見込み額が3,000万円前後」と示されれば、話し合いは一気に現実味を帯びます。売却して現金で分ける方法や、一人が取得して他の相続人へ代償金を支払う方法(代償分割)などを、具体的な数字をもとに比べられるようになるのです。ただし注意したいのは、不動産会社の査定額はあくまで売却見込みに関する意見であり、実際の成約価格を保証するものではなく、相続税評価額や固定資産税評価額とも異なるという点です。とくに代償分割では、どの評価額を採用するかで精算額が変わるため、相続人間で協議し、必要に応じて税理士・弁護士・不動産鑑定士などにも確認するのが安心です。 ✓ポイント:市場価値を調べることは、売却を前提にした行動ではありません。あくまで「判断材料をそろえる」ためのものです。共通の物差しとなる数字があるだけで、家族の話し合いは感情論から具体論へと前進します。 出典:価格査定マニュアルについて|国土交通省 4. 売却を迷っている段階だからこそ「今」始めるべき最初の一歩 ここまで読んで、「対策の必要性は分かった。でも、まだ売ると決めたわけではない」と感じている方も多いはずです。だからこそお伝えしたいのは、売却を決めていない段階でも踏み出せる、負担の小さな一歩があるということ。いきなり大きな決断をする必要はなく、情報を集め、身の回りを少し整えるだけでも、将来の子どもの負担は確実に軽くなります。 売却の有無に関わらず一宮市の不動産会社に「簡易査定」を依頼する 最初の一歩としておすすめしたいのが、地元の不動産会社への簡易査定です。査定を受けたからといって売却が確定するわけではなく、あくまで「今の売却見込み額を知る」ための情報収集にすぎないからです。 簡易査定(机上査定)は、住所や土地・建物の情報をもとに、おおよその価格を算出してもらう方法です。現地訪問を伴わないため気軽に依頼でき、得られる目安が、前の章でお伝えした「市場価値の把握」にそのまま役立ちます。地域の取引事情に精通した一宮市の不動産会社なら、金額の目安だけでなく、そのエリアの今後の見通しも含めた助言が期待できます。当相談室でも、簡易査定を無料で受け付けています。 ✓ポイント:簡易査定は「売るための手続き」ではなく、「判断材料を手に入れる手段」だと捉えてください。売る・売らないを決めるのは、正確な情報がそろった後で構いません。まずは現在地を知ることが、迷いを整理する近道になります。 少しずつ不要な荷物を片付ける「生前整理」から始める もう一つ、今日からでも始められるのが生前整理です。実家に残されたモノの片付けは、子どもが相続後に直面する負担のなかでも、精神的・体力的にとりわけ重い作業だからです。 大量の家財が残ったままの実家を、遠方の子どもが仕事の合間に片付けるのは、想像以上の重労働になります。だからこそ、親自身が元気なうちに、思い出の品や重要書類を少しずつ整理しておく意味は大きいといえます。一度に片付ける必要はなく、「今日は書類だけ」「今週は物置を一段」というペースで十分。あわせて、預貯金や保険、不動産の権利証などの情報を一覧にまとめておくと、相続手続きそのものも格段にスムーズになります。 ✓ポイント:生前整理は、単なる片付けではなく「子どもへの引き継ぎ準備」です。モノと情報を少しずつ整理しておくだけで、相続後に子どもが背負う負担は目に見えて軽くなります。無理のない範囲で、できることから手をつけるのが長続きのコツです。 5. まとめ
    相続した空き家はどうすべきか【売る・貸す・解体・活用の判断基準と売却の流れ】
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    2026.07.13

    相続した空き家を前に、「売るべきか、貸すべきか、解体すべきか」と迷う方は多いです。 正解は建物の状態・立地・相続人の状況によって変わります。  
    相続した空き家を放置するとどうなるか【リスク・費用・責任を解説】
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    2026.07.08

    「とりあえず今は動けない」 「誰かが使うかもしれない」。 相続した空き家を前に、多くの方がそう感じます。 しかし放置を続けると、建物の劣化だけでなく、法的・金銭的なリスクが年々積み重なっていきます。  
    一宮市の不動産相続で迷ったら?実家を残すか不動産売却するかの分かれ道
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    2026.06.22

    一宮市にある実家を相続したものの、「自分が住む予定はないけれど、思い出のある家をすぐに手放す決心がつかない」「とりあえず様子を見よう」と立ち止まっていませんか。不動産の活用や売却には、登記や税金、相続人同士の話し合いなど、いくつもの手続きが絡みます。だからこそ結論を先送りにしてしまう方は少なくありません。 ただ、相続した不動産を「とりあえず放置」することには、想像以上のリスクが潜んでいます。維持費の負担、建物の劣化、そして近年の法改正による思わぬ出費まで、放っておくほど選択肢は狭まっていくのです。 この記事では、一宮市で不動産を相続して今後の扱いに迷っている方に向けて、実家を残す場合と売却する場合それぞれのメリット・デメリット、そして放置の危険性をわかりやすく整理します。大切な資産の行方を決める判断材料として、最後まで目を通してみてください。 .ovn_page section.ovn_list_ac ul { margin-bottom: 30px; } .ovn_page section.ovn_list_ac li { display: block; padding-left: 20px; margin-bottom: 4px; position: relative; overflow: hidden; } .ovn_page section.ovn_list_ac ul li::before { background: var(--scolor); width: 8px; height: 8px; position: absolute; top: 14px; left: 0; content: ''; border-radius: 50%; } .ovn_page section.ovn_list_ac { padding: 30px !important; border: 4px solid var(--scolor); border-radius: 20px; margin: 10px 10px 80px; } .ovn_page .ovn_list_ac ol { counter-reset: item; } .ovn_page .ovn_list_ac ol>li { counter-increment: item; list-style: 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2024年から始まった「相続登記の義務化」 そのまま放置は危険?知っておくべき「空き家リスク」 リスク1:維持費が払い続けても消えない リスク2:建物の老朽化と資産価値の下落 リスク3:「特定空き家」指定で税金が跳ね上がる 実家を残す場合と売却する場合の比較 実家を残す(住む・貸す)場合のメリット・デメリット 不動産を売却する場合のメリット・デメリット 売却時に知っておきたい「空き家の3,000万円特別控除」 迷った時は、まず一宮市の不動産価値を知ることから始めよう 1. 相続した不動産は「早めの方針決定」が鉄則 実家を相続したら、最終的に残すにせよ売るにせよ、できるだけ早い段階で方針を決めることが何より大切です。なぜなら、決断を先延ばしにするほど資産価値が下がり、予期せぬ負担を抱え込む確率が高まるからです。 たとえば、判断を保留したまま数年が経つと、その間ずっと固定資産税や保険料を払い続けることになります。人が住まない家は傷みも早く、いざ売ろうとした頃には査定額が大きく目減りしている、というケースは珍しくありません。「いつか決めればいい」という先送りが、知らないうちにコストを積み上げているわけです。 つまり、相続不動産の扱いは「結論を急ぐ」のではなく「方針を早く固める」ことがポイントになります。残すと決めれば管理や活用の計画を立てられますし、売ると決めれば市場が良いタイミングを選べます。どちらにしても、早めに腹を決めた人ほど有利な条件で動けるのです。 先送りが資産価値を下げる理由 不動産は、保有しているだけで静かにコストが発生する資産です。空き家のまま放置すれば、税金や維持費は出ていく一方で、建物の価値は時間とともに下がり続けます。 加えて見落としがちなのが、相続人が複数いる場合の人間関係です。「いつか話し合おう」と先延ばしにしているうちに、次の世代へさらに相続が発生し、権利を持つ人がねずみ算式に増えてしまうことがあります。当事者が増えるほど合意形成は難しくなります。共有状態の不動産を売却するには原則として共有者全員の同意が必要で、賃貸活用についても契約内容や期間によって必要な同意の範囲が変わるため、放置するほど身動きが取りにくくなる、という事態に陥りかねません。 ✓ポイント:相続不動産は「持っているだけで価値が目減りし、関係者が増えるほど扱いにくくなる」という二重の時間リスクを抱えています。だからこそ、感情の整理がつかないうちでも、まずは方針だけ早めに固めておく姿勢が、結果的にご自身と家族を守ることにつながります。 2024年から始まった「相続登記の義務化」 「急がなくてもいい」とは言い切れない、もう一つの理由があります。それが法改正です。2024年4月1日に施行された改正不動産登記法によって、相続による不動産取得を知った日から3年以内の相続登記が義務化されました。 正当な理由なく登記を怠ると、10万円以下の過料が科される可能性があります。しかもこのルールは過去の相続にもさかのぼって適用され、2024年3月以前に相続した未登記の不動産は、2027年3月31日が申請期限となっています。「親の代の名義のまま放置していた」という土地や建物も、もはや他人事ではないということです。 ※表は左右にスクロールして確認することができます。 相続の発生時期 登記の申請期限 2024年4月1日以降 取得を知った日から3年以内 2024年3月31日以前(過去の相続) 2027年3月31日まで なお、遺産分割の話し合いがまとまらず期限に間に合いそうにない場合は、「相続人申告登記」という簡易な手続きで過料をひとまず回避できます。ただしこれは暫定的な対応にすぎず、分割が決まれば別途3年以内に正式な登記が必要です。 ✓ポイント:登記を放置すると過料のリスクがあるだけでなく、将来の売却や担保設定の際に手続きが一気に複雑化します。「方針を決める」前段階として、まずは名義が現状どうなっているかを確認しておくことが、すべてのスタート地点になります。 出典:相続登記の申請義務化に関するQ&A|法務省 2. そのまま放置は危険?知っておくべき「空き家リスク」 方針を早く決めるべき最大の理由は、空き家を放置すること自体に明確なデメリットがあるからです。一宮市内に限った話ではありませんが、誰も住まない家を持ち続けると、お金・資産価値・税金という三方向から負担がのしかかってきます。 実際、相続した実家を「とりあえずそのまま」にしていた方が、数年後に売却を検討した段階で「思ったより安くしか売れない」「税金が上がっていた」と驚かれることは、当社のご相談でもよくあります。放置のツケは、たいてい後からまとめてやってくるものです。 以下では、具体的にどんなリスクが発生するのかを3つに分けて見ていきます。 リスク1:維持費が払い続けても消えない 住んでいなくても、不動産を所有している限りお金は出ていきます。代表的な維持費は次のとおりです。 ※表は左右にスクロールして確認することができます。 費目 内容 固定資産税 原則として毎年課税される 都市計画税 一宮市内でも市街化区域内に土地・家屋を所有している場合に課税される 火災保険・地震保険 加入は任意だが、火災・自然災害・近隣への被害に備えるなら継続可否を確認したい費用 水道光熱費の基本料金 契約を残せば使わなくても発生 管理・点検費用 草刈り、通気、見回りなどの手間または委託費 こうした費用は一つひとつは小さく見えても、毎年積み重なると無視できない金額になります。誰も住まず、誰の役にも立っていない家に、毎年お金を払い続ける構図ができあがってしまうのです。なお、所有する物件が都市計画税の対象になるかどうかは、課税明細書や一宮市の情報で確認しておくと安心です。 出典:固定資産税・都市計画税とは|一宮市 リスク2:建物の老朽化と資産価値の下落 人が住まなくなった家は、想像以上のスピードで傷みます。換気がされず湿気がこもることでカビや木材の腐食が進み、シロアリの被害も発生しやすくなります。 その結果、建物としての価値が下がるだけでなく、土地の売却にも悪影響を及ぼします。買い手から見れば「解体費用のかかる古家付き」となり、その分だけ価格交渉で不利になりがちだからです。早く動けば「中古住宅」として売れたかもしれない家が、放置によって「解体前提の物件」へと評価を落としてしまう、という流れは決して特別なことではありません。 リスク3:「特定空き家」指定で税金が跳ね上がる 放置リスクのなかでも特に注意したいのが、税金の優遇が外れてしまうケースです。住宅が建っている土地には「住宅用地の特例」があり、200㎡以下の小規模住宅用地では固定資産税の課税標準が6分の1に軽減されています。空き家であっても、通常はこの軽減を受けている状態です。 ところが、管理が行き届かない空き家が市区町村長から「特定空家等」または「管理不全空家等」として勧告を受け、必要な是正がされない場合、その敷地は住宅用地特例の適用対象から外れる可能性があります。軽減がなくなることで、土地部分の固定資産税は条件によっては最大でおよそ6倍に近づくこともあります。ただし実際の税額は、土地の評価額や負担調整措置などによって変わるため、必ず一律に6倍になるわけではありません。2023年12月の法改正以降は、倒壊寸前の家だけでなく、その手前の「管理不全」の段階でも対象になり得る点にも注意が必要です。 実際の流れとしては、いきなり増税されるわけではありません。「助言・指導」を経て、改善されなければ「勧告」という段階を踏み、勧告を受けて是正されない場合に特例が外れる仕組みです。逆にいえば、適切に管理するか、早めに方針を決めて手放せば、このリスクは避けられます。 ✓ポイント:空き家の放置は「維持費」「資産価値の下落」「増税」という3つの負担が同時進行で重くなっていく状態です。なかでも固定資産税が最大6倍に近づき得る点は、放置の代償として見過ごせません。リスクが顕在化する前に方針を固めることが、家計を守る現実的な選択になります。 出典:固定資産税等の住宅用地特例に係る空き家対策上の措置|国土交通省 3. 実家を残す場合と売却する場合の比較 放置の危険性を踏まえたうえで、ここからは具体的な判断材料として「残す」と「売る」という2つの選択肢を比べていきます。結論から言えば、どちらが正解かはご家族の状況と資産計画によって変わるため、それぞれの長所と短所を正しく理解したうえで選ぶことが重要です。 理由は単純で、残す道には「思い出と将来の活用」という価値がある一方、コストと管理の手間がつきまといます。売る道には「現金化と負担からの解放」という価値がある反面、思い入れのある場所を失います。同じ実家でも、住む予定があるのか、相続人が何人いるのか、当面まとまったお金が必要かによって、最適解は大きく変わるのです。 まずは全体像を表で整理してみます。 ※表は左右にスクロールして確認することができます。 比較項目 実家を残す 不動産を売却する 思い出・愛着 手元に残せる 失われる 将来の活用 住む・貸すなど選択肢が広い 売却益を別の用途に充てられる 当面の費用 維持費・修繕費がかかり続ける 諸費用は売却時のみ 現金化 しにくい しやすい 相続人での分割 公平に分けにくい 換価分割で公平に分けやすい 将来リスク 老朽化・空き家リスクが残る 完全に手放せる 実家を残す(住む・貸す)場合のメリット・デメリット 実家を残す最大の魅力は、家族の思い出が詰まった場所をそのまま手元に置けることです。将来的に自分や子どもが住む拠点にもできますし、賃貸に出せば、管理や修繕の手間は発生するものの、毎月の家賃収入を得られる可能性もあります。 一方で、現実的なコストと手間は避けて通れません。残す場合に想定される主なメリットとデメリットを整理すると、次のようになります。 メリット 親や家族の思い出の場所を残せる 将来、自分や家族の住まいとして活用できる 賃貸に出せば家賃収入を得られる可能性がある デメリット リフォーム費用や修繕費など、まとまった初期投資が必要になりやすい 賃貸の場合、一宮市内でも立地や間取りが需要に合わなければ空室リスクや管理の手間が生じる 相続人が複数いると、一つの不動産を公平に分けることが難しく、トラブルの火種になりやすい 特に賃貸活用を考える場合は、そのエリアに本当に借り手の需要があるかを見極める必要があります。一宮市は名古屋へのアクセスが良いエリアもあれば、駅から離れた住宅地もあり、立地によって賃貸需要は大きく異なるためです。 ✓ポイント:残すという選択は「将来も使う見込みがある」「賃貸需要が見込める立地」「相続人が単独、または分割の合意が取れている」といった条件がそろうほど合理的になります。逆にこれらが不透明なまま残すと、維持費だけがかさむ結果になりかねません。 不動産を売却する場合のメリット・デメリット 売却の最大のメリットは、資産を現金化できることで、相続人同士が1円単位で公平に分けられる点にあります。不動産そのものを分割するのは困難ですが、売って現金にすれば「換価分割」として分けやすくなります。さらに、固定資産税や維持管理の手間、建物の倒壊リスクといった将来の不安から完全に解放されるのも大きな利点です。 得られた売却代金を、自分の生活基盤に合った資産運用や住み替え資金に充てられる柔軟さもあります。一方で、もちろん手放すことによるデメリットも存在します。 メリット 現金化により、相続人間で公平に分割(換価分割)しやすい 固定資産税・維持管理・倒壊リスクなど、将来の負担から解放される 売却代金を、自分の生活設計に合った用途へ振り向けられる デメリット 思い入れのある実家という場所が、完全になくなってしまう 仲介手数料や、利益が出た場合の譲渡所得税などの諸費用がかかる ただし、後述する税制上の特例を使えるかどうかで、手取り額は大きく変わってきます。費用面だけを見て敬遠する前に、利用できる控除がないかを確認しておくことが賢明です。 売却時に知っておきたい「空き家の3,000万円特別控除」 相続した実家を売る場合、条件を満たせば譲渡所得から最大3,000万円を差し引ける「空き家の特別控除」を利用できる可能性があります。これは相続した被相続人の居住用家屋を一定期間内に売却した場合に使える制度で、適用されれば税負担を大きく抑えられます。 ここで注意したいのが、2024年(令和6年)1月1日以降の譲渡から始まったルール変更です。相続人が3人以上になる場合、控除額は1人あたり2,000万円に縮小されました。1〜2人なら従来どおり1人最大3,000万円ですが、人数によって枠が変わる点は押さえておきたいところです。 相続人の人数 1人あたりの控除上限 1〜2人 最大3,000万円 3人以上 最大2,000万円 ただし、すべての相続不動産で使える制度ではありません。適用には、おおむね次のような要件を満たす必要があります。 家屋が1981年(昭和56年)5月31日以前に建てられたもので、マンションなどの区分所有建物ではないこと 相続開始の直前まで、被相続人が一人で居住していたこと 相続後、譲渡までに事業・貸付・居住用として使っていないこと(相続後に貸した場合は原則対象外) 売却代金が1億円以下であること 一定の耐震基準を満たすか、家屋を取り壊して売却すること 相続開始から3年を経過する年の12月31日までに売却し、確定申告を行うこと これらの要件は細かく、適用できるかどうかは個別の事情によって変わります。「使えるはず」と思い込んで進めると後から対象外と判明することもあるため、売却を検討する段階で税理士などの専門家に確認することをおすすめします。 出典:No.3306 被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例|国税庁 ✓ポイント:売却は「公平な分割」「将来リスクからの解放」という明確な利点があり、空き家の特別控除を活用できれば手取りもさらに増やせます。「諸費用がかかるから」と一面だけで判断せず、使える制度まで含めて総合的に比べることが、後悔しない選択につながります。 4. 迷った時は、まず一宮市の不動産価値を知ることから始めよう

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