不動産コラム

子どもに迷惑をかけない!一宮市の不動産相続と実家の生前対策

子どもに迷惑をかけない!一宮市の不動産相続と実家の生前対策

「実家をどうするかは、まだ決めていない。でも自分がいなくなった後、子どもに面倒な思いだけはさせたくない」——そんな思いを抱える方は少なくありません。結論から言えば、実家の相続対策は「まだ決めていない」段階こそ、動き出すのに適したタイミングです。

理由は、方針を決めないまま相続を迎えると、維持費や税金の負担に加え、相続発生後の登記手続きや遺産分割の負担まで、そっくり子ども世代に残ってしまうからです。相続人が不動産を取得したことを知った後、正当な理由なく期限内に相続登記を行わなければ、過料の対象となる可能性もあります。こうした負担の多くは、親が元気なうちの備えで、ある程度やわらげられます。

この記事では、一宮市の不動産相続を取り巻く現状、実家を放置したときのリスク、そして子どもに負担をかけないために今から始められる生前対策のステップを、いちのみや不動産相続相談室を運営するじぶん不動産株式会社の視点で整理します。読み終えるころには、「まず何から手をつければいいのか」が見えているはずです。

目次

  1. 実家の相続対策を先延ばしにするリスク
  2. 一宮市における実家・不動産相続の現状
  3. 子どもに迷惑をかけないための3つの生前対策
  4. 売却を迷っている段階だからこそ「今」始めるべき最初の一歩
  5. まとめ

1. 実家の相続対策を先延ばしにするリスク

先延ばしの厄介なところは、「何も決めない」という選択が、実は最もコストの高い選択になりやすい点にあります。放置している間も税金は毎年かかり続け、建物は傷み、権利関係も複雑になっていくためです。相続登記を長期間放置すると、次の相続が発生して関係する相続人が増え、手続きがいっそう込み入ってしまう場合もあります。ここでは、先延ばしが生む代表的な3つのリスクを順番に見ていきます。

放置された空き家の維持管理費と固定資産税が子どもの負担になる

誰も住まなくなった実家は、「持っているだけでお金が出ていく資産」に変わります。人が住んでいなくても固定資産税は原則として毎年発生し、市街化区域内の土地・家屋には都市計画税も課されます。さらに火災保険料や通水・換気、庭木の手入れといった管理コストも積み重なっていくからです。

見落とされがちなのが、税負担が「増える」リスクです。管理状態に問題がある空き家が「管理不全空家等」と判断され、市区町村から指導を受けても改善されず、勧告を受けた場合、その敷地は住宅用地特例の対象から外れることがあります。小規模住宅用地では固定資産税の課税標準を評価額の6分の1とする特例が適用されていますが、この特例が外れると税負担は大きく増える可能性があります。ただし負担調整措置などもあるため、実際の税額が単純に必ず6倍になるわけではありません。

放置しがちな費用の実態を、項目ごとに整理しておきましょう。

※表は左右にスクロールして確認することができます。

項目 具体的な内容 発生のしかた
固定資産税・都市計画税 土地・建物にかかる税金。都市計画税は市街化区域内の土地・家屋が対象 空き家でも課税要件を満たせば毎年かかる
管理コスト 火災保険、通水・換気、庭木の手入れ、遠方からの交通費 放置期間が長いほど累積する
住宅用地特例の解除 勧告を受けた管理不全空家等・特定空家等の敷地では、固定資産税・都市計画税の住宅用地特例が適用されなくなる場合がある 指導→改善なし→勧告の段階を経て
老朽化の進行 雨漏り、シロアリ、外壁の劣化 売却時の価値低下・解体費増につながる

✓ポイント:まだ売ると決めていなくても、実家を保有するだけで年間どれくらいのコストがかかるのかを把握しておくと、その後の判断が軽くなります。「いくらで維持しているのか」を数字にして見える化することが、感情論に流されない相続対策の出発点です。

出典:固定資産税等の住宅用地特例に係る空き家対策上の措置|国土交通省

相続登記の義務化により放置すると罰則の対象になる

「名義変更は、いつかやればいい」——この感覚は、すでに通用しなくなりました。2024年4月1日から相続登記が義務化され、放置には罰則が伴うようになったからです。

相続人は、不動産を取得したことを知った日から3年以内に相続登記を申請する必要があり、正当な理由なく怠ると10万円以下の過料の対象になります。注意したいのは、この義務が施行前の相続にも及ぶ点です。2024年4月1日より前に発生した相続でも、登記が済んでいない不動産は義務化の対象で、施行前から相続を知っていた場合は、原則として2027年3月31日までに申請しなければなりません。「うちは何十年も前の相続だから」と油断はできないわけです。期限の考え方は、次の表で整理できます。

※表は左右にスクロールして確認することができます。

ケース 相続登記の期限
2024年4月1日以降に相続を知った 取得を知った日から3年以内
施行前から相続を知っていた(未登記) 2027年3月31日まで
遺産分割で取得が決まった 遺産分割の成立から3年以内

なお、遺産分割がまとまらず期限内の相続登記が難しい場合には、「相続人申告登記」を行うことで、申告した相続人について当面の申請義務を履行したものとみなされます。ただしこれは所有権を確定する相続登記ではないため、遺産分割がまとまった後には、改めて正式な登記が必要になります。

✓ポイント:相続登記は、放置するほど必要な戸籍書類が増え、相続人の数もふくらんで手続きが複雑になります。義務化された今は、先送りするより、早めに司法書士へ相談して権利関係を整理しておくほうが、結果的に子どもの手間もコストも小さく抑えられます。

出典:相続登記の申請義務化に関するQ&A|法務省

複数人で相続することで意見がまとまらず売却が困難になる

実家の相続でもめやすいのが、「複数の子どもで一つの家を相続する」ケースです。不動産は現金のようにきれいに等分できないため、「売って分けたい人」と「思い出があるから残したい人」の意見が対立しやすいからです。

遺産分割前の実家や、複数人の共有名義となった実家を一体として売却するには、原則として共同相続人・共有者全員の合意が必要です。一人でも意見が一致しなければ、通常の任意売却は進めにくくなります。その間も税金や管理費だけが出ていき、話し合いがこじれて疎遠になり、次の相続でさらに関係者が増える、という展開も起こり得ます。もっとも、話し合いがまとまらない場合には、遺産分割調停や共有物分割請求などを検討する道もあり、「一人でも反対すれば永久に何もできない」わけではありません。

✓ポイント:相続人が複数いる場合は、「誰が引き継ぐのか」「売るのか残すのか」を、親の意思が確認できるうちに方向づけておくことが、何よりの予防策になります。判断の軸を親世代が示しておくだけで、子ども同士が感情的に対立するリスクは大きく下がります。

出典:共有制度の見直し|法務省

2. 一宮市における実家・不動産相続の現状

一宮市で相続を考えるうえで押さえておきたいのは、空き家は、もはや「一部の家庭だけの特別な問題」ではなくなっているという事実です。高齢化と人口減少が進むなか、相続をきっかけに実家が空き家になるケースは全国で増えており、一宮市も例外ではありません。地域の実情を知っておくことは、対策の優先順位を決める助けになります。

一宮市でも多数の空き家が確認されている

数字を見ると、空き家は身近な問題であることが分かります。一宮市が2025年度に行った実態調査では、市内全域で2,251件の空家等候補が確認されました。内訳は、空家等候補が1,025件、管理不全空家等候補が735件、特定空家等候補が491件です。

こうした空き家の多くは、相続を機に生まれます。国土交通省の全国調査では、空き家の取得経緯のうち相続によるものが半数を超えており、実家がいずれ空き家になる可能性は、決して他人事ではありません。一宮市は名古屋圏のベッドタウンとして発展してきた歴史があり、子世代がすでに市外や県外で暮らすご家庭も多く見られます。だからこそ、相続が起きる前から、実家の管理や処分の方針を考えておく重要性は高いといえます。

✓ポイント:「実家がいずれ空き家になるかもしれない」という予感は、大げさなものではありません。相続は誰の家にも訪れるライフイベントであり、早く向き合った家庭ほど、選べる選択肢を多く残せます。

出典:一宮市空家等実態調査結果報告書 概要版|一宮市

市全体の地価は上昇傾向でも、物件ごとの売却しやすさには差がある

「地価は下がっていく一方」と思い込むのは、実は正確ではありません。2026年の地価公示では、一宮市の住宅地の平均変動率は前年比プラス2.5%、商業地はプラス4.5%と、市全体では上昇傾向にあるからです。

ただし、市全体の平均が上がっていても、すべての不動産の価値が同じように上がるわけではありません。駅からの距離、接道の状況、用途地域、市街化調整区域に該当するかどうか、浸水などの災害リスク、建物の老朽化などによって、売却価格や売れるまでの期間には差が生じます。将来の値動きを一律に予測するのではなく、実家ごとの条件を一つずつ確認することが大切です。

✓ポイント:不動産の価値は、地域全体の相場と、その物件固有の条件の両方で決まります。「一宮市だから上がる・下がる」と決めつけるより、「この実家は今どういう条件か」を具体的に把握しておくことが、現実的な備えになります。

出典:令和8年地価公示 市区町村別・用途別平均価格、平均変動率|愛知県

3. 子どもに迷惑をかけないための3つの生前対策

生前対策の本質は、「親自身の意思を、実行できる形にして遺しておく」ことに尽きます。どれだけ「子どもには苦労させたくない」と願っていても、その気持ちが言葉や書面として残っていなければ、子どもは何を基準に判断すればいいか分からず、立ち往生してしまうからです。ここでは、今から始められる3つの対策を紹介します。まずは全体像を押さえておきましょう。

※表は左右にスクロールして確認することができます。

生前対策 主な効果 こんな家庭に向いている
親子での話し合い 意思の共有・トラブルの芽を早期に摘む すべての家庭の第一歩として
遺言書・家族信託 意思を有効な形で遺し、判断能力の低下にも備える 相続人が複数、認知症が心配
市場価値の把握 売却・分割の判断材料になる 売るか残すか迷っている
実家をどうしたいか親子で率直に話し合う

生前対策の土台は、なんといっても親子の会話です。実家をどうしたいかという親の本音が共有されていれば、子どもは迷わず動けますし、兄弟姉妹の間で意見が割れても「親の希望」という共通の軸に立ち返れるからです。

とはいえ、相続やお金の話は切り出しにくいもの。おすすめは、身構えた「家族会議」にしないことです。帰省や食事の席で「この家、将来どうしようか」と軽く投げかけるところから始めれば十分。国土交通省も、親が元気なうちに実家の方針を話し合っておくことを推奨しています。一度で結論を出す必要はなく、少しずつ意思をすり合わせる姿勢が、結果的にいちばん揉めない道につながります。

✓ポイント:話し合いで大切なのは、結論を急ぐことではなく「親の気持ちを言語化しておく」ことです。売却・同居・賃貸など、どの方向に気持ちが傾いているのかを共有できているだけで、いざというときの子どもの負担は大きく変わります。

遺言書の作成や家族信託を活用して意思を遺す

話し合いで固まった意思は、法的に有効な形で残してこそ効力を発揮します。口約束のままでは、いざ相続が始まったときに「言った・言わない」の争いに発展しかねないからです。代表的な手段が、遺言書と家族信託です。

※表は左右にスクロールして確認することができます。

手段 主な役割 留意点
遺言書 誰に何を遺すかを明確にする 遺言能力・遺留分などで争いになる可能性は残る
家族信託(民事信託) 判断能力が低下した後の財産管理・売却に備える 信託契約の内容・抵当権・税務の個別確認が必要

遺言書のうち公正証書遺言は、公証人が作成に関与し、原本も公証役場で保管されるため、方式不備や紛失・改ざんのリスクを抑えやすい方法です。ただし、遺言能力や遺留分などをめぐって効力が争われる可能性まで完全になくなるわけではありません。

一方の家族信託は、法律上は「民事信託」の一形態を指す呼び方です。親の判断能力があるうちに、対象財産や受託者の権限を契約で定めておく仕組みで、実家を信託財産に含めて受託者に売却権限を付与しておけば、親の判断能力が低下した後でも、契約の範囲内で管理や売却を進められる場合があります。ただし、抵当権の有無、金融機関の対応、信託契約の内容、税務上の取扱いなどを個別に確認する必要があります。いずれの手段も、司法書士・弁護士に加え、必要に応じて税理士や金融機関にも確認し、制度が家庭の状況に合っているかを判断することが欠かせません。

✓ポイント:遺言書は「意思を明確に伝える」ため、家族信託は「判断能力の低下に備える」ための対策、と整理すると分かりやすくなります。状況に応じて両者を組み合わせておくことが、子ども世代への備えになります。

出典:遺言|日本公証人連合会

実家がいくらで売れるかあらかじめ市場価値を調べておく

売るか残すか迷っているなら、まず「現在の売却見込み額」を調べることが判断材料になります。金額の目安が分からないままでは、売却も、兄弟間での公平な分割も、具体的に検討しようがないからです。

たとえば、不動産会社の査定で「売却見込み額が3,000万円前後」と示されれば、話し合いは一気に現実味を帯びます。売却して現金で分ける方法や、一人が取得して他の相続人へ代償金を支払う方法(代償分割)などを、具体的な数字をもとに比べられるようになるのです。ただし注意したいのは、不動産会社の査定額はあくまで売却見込みに関する意見であり、実際の成約価格を保証するものではなく、相続税評価額や固定資産税評価額とも異なるという点です。とくに代償分割では、どの評価額を採用するかで精算額が変わるため、相続人間で協議し、必要に応じて税理士・弁護士・不動産鑑定士などにも確認するのが安心です。

✓ポイント:市場価値を調べることは、売却を前提にした行動ではありません。あくまで「判断材料をそろえる」ためのものです。共通の物差しとなる数字があるだけで、家族の話し合いは感情論から具体論へと前進します。

出典:価格査定マニュアルについて|国土交通省

4. 売却を迷っている段階だからこそ「今」始めるべき最初の一歩

ここまで読んで、「対策の必要性は分かった。でも、まだ売ると決めたわけではない」と感じている方も多いはずです。だからこそお伝えしたいのは、売却を決めていない段階でも踏み出せる、負担の小さな一歩があるということ。いきなり大きな決断をする必要はなく、情報を集め、身の回りを少し整えるだけでも、将来の子どもの負担は確実に軽くなります。

売却の有無に関わらず一宮市の不動産会社に「簡易査定」を依頼する

最初の一歩としておすすめしたいのが、地元の不動産会社への簡易査定です。査定を受けたからといって売却が確定するわけではなく、あくまで「今の売却見込み額を知る」ための情報収集にすぎないからです。

簡易査定(机上査定)は、住所や土地・建物の情報をもとに、おおよその価格を算出してもらう方法です。現地訪問を伴わないため気軽に依頼でき、得られる目安が、前の章でお伝えした「市場価値の把握」にそのまま役立ちます。地域の取引事情に精通した一宮市の不動産会社なら、金額の目安だけでなく、そのエリアの今後の見通しも含めた助言が期待できます。当相談室でも、簡易査定を無料で受け付けています。

✓ポイント:簡易査定は「売るための手続き」ではなく、「判断材料を手に入れる手段」だと捉えてください。売る・売らないを決めるのは、正確な情報がそろった後で構いません。まずは現在地を知ることが、迷いを整理する近道になります。

少しずつ不要な荷物を片付ける「生前整理」から始める

もう一つ、今日からでも始められるのが生前整理です。実家に残されたモノの片付けは、子どもが相続後に直面する負担のなかでも、精神的・体力的にとりわけ重い作業だからです。

大量の家財が残ったままの実家を、遠方の子どもが仕事の合間に片付けるのは、想像以上の重労働になります。だからこそ、親自身が元気なうちに、思い出の品や重要書類を少しずつ整理しておく意味は大きいといえます。一度に片付ける必要はなく、「今日は書類だけ」「今週は物置を一段」というペースで十分。あわせて、預貯金や保険、不動産の権利証などの情報を一覧にまとめておくと、相続手続きそのものも格段にスムーズになります。

✓ポイント:生前整理は、単なる片付けではなく「子どもへの引き継ぎ準備」です。モノと情報を少しずつ整理しておくだけで、相続後に子どもが背負う負担は目に見えて軽くなります。無理のない範囲で、できることから手をつけるのが長続きのコツです。

5. まとめ

子どもに迷惑をかけない!一宮市の不動産相続と実家の生前対策

実家の相続対策で最も避けたいのは、「まだ決めていないから」と何もせず、時間だけが過ぎていくことです。放置された実家は、維持費や固定資産税の負担、相続登記義務化による過料のリスク、そして相続人同士の意見の食い違いという形で、子ども世代の肩にのしかかりかねません。

けれども、今日ご紹介したように、対策は決して大がかりなものばかりではありません。親子でひと言交わしてみる、簡易査定で現在の見込み額を知る、書類を少し整理してみる——売却を決める前でも踏み出せる小さな一歩が、将来の子どもの負担を大きく左右します。まだ迷っている段階こそ、いちばん自由に選択肢を広げられる貴重な時期です。

一宮市で実家の相続や生前対策にお悩みなら、いちのみや不動産相続相談室を運営するじぶん不動産株式会社にご相談ください。相続診断士や宅建士が在籍し、必要に応じて税理士・司法書士などの専門家とも連携しながら、「売る・売らない」を決める前の段階から、ご家庭に合った最初の一歩を一緒に考えます。子どもに迷惑をかけないための備えは、思い立った今日から始められます。

出典:いちのみや不動産相続相談室|じぶん不動産株式会社

監修者情報

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じぶん不動産株式会社

代表取締役 岩田 知一

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