不動産コラム
相続税の基礎知識【基礎控除・小規模宅地等の特例・配偶者控除をわかりやすく解説】

「相続税がいくらかかるのか」は、不動産を相続した方が最初に気になるポイントです。
ただし、実際に相続税が発生するケースは全体の1割程度とも言われており、
基礎控除の仕組みを正しく理解するだけで、多くの方が「自分は対象外」と判断できます。

■ 相続税の基本:基礎控除
基礎控除額 = 3,000万円 +(600万円 × 法定相続人の数)
たとえば相続人が配偶者と子2人の合計3人の場合、基礎控除は4,800万円です。財産の合計が4,800万円以下なら、相続税はかかりません。
▼ 相続財産の評価
不動産は時価(実際の売却価格)ではなく、「相続税評価額」で計算します。
一般的に土地は路線価または固定資産税評価額×倍率で評価され、時価より低くなることが多いです。

■ 不動産相続で重要な「小規模宅地等の特例」
被相続人が住んでいた土地を相続する場合、一定の要件を満たせば土地の評価額を最大80%減額できます。
▼ 土地の種類と限度面積
・ 居住用宅地(特定居住用宅地等):330㎡まで・80%減額
・ 事業用宅地(特定事業用宅地等):400㎡まで・80%減額
▼ 主な適用条件(居住用の場合)
・ 配偶者:条件なし。自動的に適用されます
・ 同居の親族:申告期限まで、その土地に住み続け、かつ所有し続けること
・ 別居の親族(家なき子):相続前の3年間、自分の持ち家がないなどの厳しい条件あり
▼ 注意点
この特例は、相続税の申告書を提出しなければ適用されません。
「相続税がゼロになった」からといって申告を省略すると、特例が無効になります。

■ 「配偶者の税額軽減」
配偶者が相続する場合、1億6,000万円または法定相続分のどちらか大きい金額まで相続税がかかりません。多くのケースでは、配偶者の相続税はゼロになります。ただしこの制度も相続税の申告が必要です。
■ 相続税の申告期限と納税
相続税の申告・納付期限は、被相続人が亡くなったことを知った日から10ヶ月以内です。
一括納付が原則ですが、資金が不足する場合は「延納(分割払い)」や「物納(不動産などで納める)」の制度もあります。
岩田知一
(じぶん不動産株式会社 代表取締役/不動産・相続コンサルタント)

